発電をもっと学ぼう!~原子力発電所のしくみ勉強会~

前回のワークショップで、「超かんたん手作り発電機」をみんなで作りました。

要するに、
「磁石」と「電線」の組み合わせで、
「磁石を回すと、発電する」。

(電線を回しても、同じ)

という、とてもシンプルなものでした

今回は、その基本がだいたい分かったところで、

  • 前回の宿題、交流と直流の復習
  • 原子力発電所の発電のしくみを、学びました。

原子力発電所の発電のしくみは、
技術の粋を集められた、とても高度で複雑なもの、
というイメージがあります。

実際そうなのだと思いますが、発電そのもののしくみは、
やっぱり前回の「超かんたん発電機」と同じなんですね。

というわけで、そのしくみを、YouTubeで見つけてきたビデオを交えながら、みんなで勉強しました。

▼実物のタービン

▼タービンと人間の大きさの比較

(出典:Wikipedia「タービン」の項より)

(出典:Wikipedia「タービン」の項より)

(Wikipedia より)

▼原子力発電のしくみ

最後に、
原子力発電所のエネルギー効率や、
温排水についても話し合いました。

「原子力発電はエコ」とは、よく言われていることですが、
それは「CO2排出」という観点から見た場合です。

しかも、「発電時」にCO2を出さないだけで、
海外のウラン鉱山でウラン採掘にかかるエネルギーや、
海外からウランを運搬する過程では、CO2を排出しています。

また、タービンを回して発電するために
水を熱して蒸気にし、ふたたび蒸気を冷却して水に戻すので、水も循環可能と言われています。

ただ、その冷却のために、
海岸沿いの原子力発電所では膨大な海水を取水し、
冷却後あたためられた水を、ふたたび海に戻しています。

この、あたためられて排出される水が、
「温排水」と呼ばれています。

「100 万kW の原子力発電所の場合、
1 秒間に70 トンの海水の温度を7 度上げ」
るそうです。

「近畿一の大河である淀川でも
その流量は1 秒間に150 トンしかありません。」
(※京都大学原子炉実験所 小出 裕章さんの講演資料より)

また、
原子力発電所で生み出されるエネルギーのうち、
1/3が発電に使われ、
2/3は熱エネルギーとして海に排出されているということです。

ちなみに、
最先端で高効率の火力発電所では、
1/2が発電に使われているということです。

原子力発電所がエコ、という謳い文句は、
多様な観点から検討してみる必要があるね、
という話しになりました。

【おまけ】

原子力発電所の見学施設で、本物のウラン燃料ペレットがさわれる?