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見えないものたちとのデュエット

先日神戸の児島さんのフリースクールを訪問したときに会った吉本有里さんのコンサートに行って来た。京都山科の山手にある住宅街の一軒家の一室で。
 せっかくだからとノマドカフェとのドッキング企画になった。以前ここのオーナーのSさんとC君にそんなに家が広いならカフェでもしたらと言ったことがきっかけで、考えるヒマもなく2週間ほどで実現した。正木さんも快諾。モモの家で吉本さんの声の響きと日々の暮らしのお話しの素晴らしさをみんなに話したところだったので、とても楽しみで大阪から何人かで出かけた。
 北カリフォルニアの山の中での8年間の暮らしは、物語の世界そのもの。お金がないことや不便なことが、かくも豊かな時間とやさしい魂を育ててくれるのだ。そんな有里さんも8年ぶりの日本のコンサートツアーを通じて、また、日本へ世界へとネットワーカーとしての歌の仕事をしてみたくなったという気持ちがいとおしく感じられたのはなぜだろう。
 自然に囲まれた厳しくも豊かな暮らしも楽しいが、また人の中でこころの交流をしていきたくなったというのだ。自然の木々の森もいいが、人の森もエネルギーにあふれているのだろう。
カリフォルニアの山と川と鳥や獣たちのなかでささやかれた彼女の詩は、バイオリンの音色にのって、私のハートをとかしてくれた。風や水や蛇やキツネやシカは、あるとき私たち自身でもあると感じた・・その感じのままを歌にした・・そのまんまの響きは、遠く私たちの祖先が暮らしたこころの時間をよみがえらせた。そう、私たちは、鳥であったし、魚であったのだ。そして、風になり、水になり、火になって、土にかえっていく。
 モモの家が、今、いろんな見えないものたちの魂に助けられていることも、知らず知らずのうちに私たちが自分のなかの忘れかけていたいろんな記憶を取り戻しているからかもしれない。
 いつか、近いうちに、有里さんがここでそうした見えないものの魂と一緒にうたってくれそうな気がしている。
 

Posted on
金曜日, 3月 2nd, 2001
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