夫君の留学にくっついてフィンランドに家族で引っ越す金子さんの送別会をした。モモの家でという彼女のリクエストに合わせて、鶴亀団を中心に集まった人達と持ち寄りランチをした。金子さんは、確か13の月の暦を購入したのに始まって、つぶつぶクッキングに参加したりしている間に、いつのまにやらスタッフとしてモモ便りを作成したり、会計をしてくれたりしていた人だ。
金子さんの作るケーキはいつも娘のハルカの楽しみだった。しばらく彼女のケーキが食べられないのはさみしいなあ。
この春には、椙村君をオーストラリア留学に送り出す送別会をしたなあ。椙村君も金子さんもモモの家を存続させるための出資をしてくれた人だ。1年前のモモの家の総会でモモの家が経済的にピンチという情報に、「いくらあれば大丈夫ですか」と電話をかけてくれた人が大谷さん。モモの家を借りるときにあまり沢山の人にお金をだしてもらう呼びかけをすることを躊躇して、私と相棒の萩原さんとで家の頭金やら支度金を半分ずつ出した。確か175万円ずつ。合わせて350万円。持っていた貯金の大半だった。
よくもまあ、萩原さんもそんな大金を出してくれたなあ。彼女の私への信頼が勇気を与えてくれて始まったような気もする。語ればキリのないほどの絶妙なバランスで現在のモモの経営は成り立っている。
世間の経営的センスからは考えられないだろうけど、人の中にあるエネルギーを信頼してここまで来ているようだ。
1年前に始まった地域通貨<モモマネー>を通じて、お金とは何かについて考えてきた。世間のお金は動かしたらお金自体が増えていく。でも、生産物例えば、お米はずっと持っていても増えずに古くなって価値が下がり、いずれは腐ってしまう。穀物は野菜と比べて格段に長持ちするけどね。今のシステムではお金は減ることがない。本来のエネルギー交換としてのお金は、どんどん回してこそ価値が永遠にまわっていくのだ。モモマネーは回転するエネルギーに注目するために作られていると思う。
そんなモモの家のネットワークを支えていくための出資金の位置づけは、それほど明確ではない。もちろん、株のように配当をするわけでもなく、借金をするための見せ金でもない。
モモマネーは言い換えればエネルギーが継続するための実験装置。みんなの出した出資金はその装置をこの世界に存続させるための資金ということだろうか。