映画『アメリ』を観た。人とつき合うことの少なかった夢想家の女の子のお話。人を幸せにするために夢想家の素質を生かして魔法のようなことをやってのける。でも、決して魔法ではなくリアルな方法を積み上げて・・。さて、彼女は自分の幸せに対しては、リアルな魔法は使えるか!?あとは、観ての楽しみ(^_=)
登場人物が、善人じゃないのがいい。アメリにしても変人ともいえる。アメリも人の為にやっているというより、自分のワクワクする想像を満たしたいがためにやっているというのがいい。それから、久し振りのフランス映画で、ヨーロッパの日常の暮らしにある、美意識にも気付かされた。
週末に、3月24日の「往還」のイベント当日に手渡すパンフレットに向けて、ファッションショーに出てくれるMさんをインタビューした。「うさぶろう」の服の魅力を語ってもらう内容だったが、そこで、Mさんが、日本人の美意識について、谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』をあげて、日本人が失いつつある暗さのなかの美を大事にしていきたいと話してくれた。
早速、『陰翳礼賛』を読んでみると、昭和初期にしてすでに、日本人の暮らしに明るすぎる電灯が増えていると書かれている。暗さに浮かび上がる漆器の魅力、厠(かわや)の清潔な戸板や薄暗さの静寂などが、繊細な感性で描かれている。なるほど、スーパーやデパートで買い物していて、蛍光灯のまばゆい明るさに時々気分が悪くなるのも、当然なのかもしれない。
『アメリ』の住んでいるアパートの灯り、螺旋階段、公衆電話、窓枠、ドアのノブなど、一つひとつが美的で、荘重な感じがする。日本の住文化も食文化もかなりアメリカの影響を受けているようだけど、昭和初期からとは考えもしなかった。
話が横にそれたけど、ワクワクすることを積み上げていけば、必ず夢はかなうのだなあと夢見る私は思いを強くした。そういえば、娘がテレビで聞いた話しだが、ある民族で夢をコントロールするために(夜寝るときに見る夢の話だが)小さい頃からしていることがあるという。それは、子供の頃から、朝起きてすぐ、見た夢の話を親や年寄りにする。そして、アドバイスをもらうらしい。
現実の夢についても通じる話のように思う。朝から、そんなにゆっくり話のできる家族が日本には少ないように思うが・・。