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ツバメの巣

 5月4日の5時30分頃、葛城山に登るロープウエイの駅に向かうバスに乗った。ロープウエイ駅まで歩くこともできたが、テントをはる予定だったので、暗くなるまでにキャンプ場に着く必要があった。山登りやアウトドアに不慣れな私はすっかりIさん任せで歩いていた。6時過ぎのロープウエイは2人の貸し切り状態。山頂に着いてキャンプ場に行き、テントをはり、寝る支度を整えた。明るいうちに準備ができたのでスムーズだった。
 その後、ロッジのお風呂に行った。風呂から出て、ロッジのロビーで注文したビールのおいしかったこと。売店で売っていたヨモギコンニャクを切ってもらい、酒の肴にした。特製のたれで食べるコンニャクもおいしかった。料理をおいしくするのは空腹だと心から思った。
 キャンプ場に戻って食事にした。あいにくIさんの持ってきたガスのボンベの具合がいまいちで使えず、パンしか食べることができなかった。夜中お腹がすいた感じがあった。朝、鳥の声と共に目覚めた。朝はボンベがうまくはたらき、コーヒーを飲むことができた。しばらくすると、もうロープウエイから上がってきた人が現れ始めた。山頂から広がるツツジを見るためにたくさんの老若男女がカメラを片手にひっきりなしにやってきた。朝ご飯の弁当を広げている人も多い。霧のなかのツツジはうすら赤くて幻想的。しばらくして霧が晴れたら一面の赤が広がっていた。
 帰りはロープウエイではなく、徒歩で山を下りた。急勾配の坂を下りていくのは大変だった。登山靴を履いていない私は、すべるのではないかと冷や冷やした。
 山を下りて平地を御所駅に向かって歩いていると、ある民家の軒先にツバメの巣があり、生まれたばかりのひなに親が餌をやるのが見えた。観察していると、中から家の人が出てきて、こちらにもあるのよと、もう一つの巣を見せてくれた。
「毎年、来てくれるから、このままにしているの。同じ巣を毎年少し直して使うみたいよ」巣立ちの後は、また別のつがいがこの巣を使うことが多いとのこと。「旅に出る前には、そばの電線に全部並んで、ピーチクピーチクと一斉にやり出すから、そろそろだなとわかるのよ。」
 鳥の世界では、家の借用もスムーズにいくらしい。別れ際に、その奥さんが、葛城山でとったばかりのワラビを3束もたせてくださった。灰汁抜きをすませてあるので、すぐ使えるとのこと。うれしいおみやげだった。

Posted on
火曜日, 5月 7th, 2002
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