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極楽屋

 お店の名前が極楽屋。なんか根太い名前から想像していたのは、男性の板前さんだったが、若い女性3人がお店でかいがいしく働く、玄米の定食屋さんだった。キャロットの社長さんから、一度見てきませんかと誘われていたレストランで、なんだか、このところ上手いモンを食べに行ってばかりだなあと思いつつ、社長の奥さんとランチをした。
 JR「王子」の駅から車で10分(最寄り駅は近鉄「大和田」で、歩いて10分くらいだろう)の所にお店はあった。おまかせランチは1000円。手びねりで焼かれた陶器のプレートの上に、ばらんが敷かれ、小さな小鉢が3つ、煮物や温サラダ、海草など、そして、大根おろしのたっぷりかかった豆腐のバーグ、大豆入り玄米、味噌汁、デザートに自家製ジャムの入ったヨーグルトが付いていた。室内に飾られた濃いピンクの花が印象的だった。食後のケーキも数種類。私はリンゴとクルミのキッシュ。彼女はごまときな粉のケーキを注文した。どれも300円。コーヒーの器も、良かった。仏様の絵をあしらった器。花柄などの和の調べが落ち着いた雰囲気を出している。作家は普通の主婦の人とのことだった。
 11時半から始まったお店は、私たちがいた2時間ほどの間に入れ替わり立ち替わりして、22席の座席はいつも満席で、断ったりもしていた。長居して悪かったかなあ。
 小さな台所だけど、手際よく働いている様がいいんですよ、と聞いたとおりの気持ちの良い立ち居振る舞いの3人だった。お料理をしてお出しするのが好きなんだなあという気がした。お店に置かれた雑記帳に、いろんな人が感想を書いていた。「若い人がこんなにおいしい玄米を食べさせてくれるなんて感激」とか「お店の中に入ったら、ほんとうにゆっくりした時間が流れていますね」「こんなにおいしい豆腐グラタンを食べたのは初めて」とか。本当に、ついつい長居してしまう。彼女たちより年輩の主婦がお客さんという感じだった。
 ステキな器に花器、ゆっくりした時間の流れ。ほんの狭いお店でも、ちょっとした心配りや気持ちの流れで、細切れの日常を送る主婦達にひとときの幸せを感じさせるのだろう。魂のきれいな人たちのお店だった。

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水曜日, 5月 15th, 2002
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