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火を囲む時間(2)

 夜7時半頃から、モモの庭の<精霊達との協働作業>の1年を感じるミーティングが始まった。昨年、突然のように始まった協働作業の1年をそれぞれがふり返った。庭に植物が次々と花が咲くというのでもなかったし、種がどんどん芽を出すというのでもなかった。でも、何か確実に変化している自分たちをお互い感じていて、みんな遠慮がちに自分のことを語った。そして、1年前にこうしようと自分が思ったのとは、違っていたけれど、それも含めて自然のはからいであったと、認めあった。それぞれの人生は1年でとても大きく変化していた。宮崎に行ったYさん。仕事を変えたO君。二人とも来ることはできなかった。Aさんも仕事をやめて、この4月からは、30にしてもう一度学生になるという。
 ガーディニングというのは、実際庭の世話のことを指すときもあるが、こうした個人の仕事や進路や心を耕すことでもある。
 私にとって、今日という日が、子ども達の火起こしで始まったという事実が、この1年を表現してくれているようにも思えた。昼食後、印刷機をもう一度チェックしたが、やっぱり作動しない。あきらめて、淡路の駅近くにある、クレオ大阪で印刷機を借りることにした。ふっと、お客さんが最近仕事をやめたけど、エンジニアだったというのを思い出し、「何のエンジニアだったの?」と尋ねた。パソコンのソフトだという。ハードは駄目ですか?駄目でもいいので、ちょっと見て欲しいとお願いする。私と谷本さんとお客さんのSさんとの3人でマニュアルを読み直し、最後はピンセットで詰まっていたマスターを引っ張り出し、何度も試みている内に何十にも巻き上げていたマスター紙をすべて抜き取った。みんながデザートを食べているとき、印刷室で3人は、万歳三唱。夕方にはなんとか印刷だけでも終えることができた。協力してくれたSさんには、モモマネーが10枚渡された。
 自然のはからいで、ゆっくりと火を囲む時間を準備することになったのである。毎月のモモ便りの発行は、スムーズにはかどるようになっていたが、逆にそのことが落とし穴になっていて、予定通りにすすめることに気が行くことが多くなると、こんなふうに教えてくれるのかなと思った。
「すべては正しきときに正しい場所で起きる」今日買った松木正さんの本『自分を信じて生きる~インディアンの方法』(小学館)の中の一節である。
 

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月曜日, 12月 24th, 2001
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