なかまのおとうちゃんに会いにいく

おとうちゃんがへこんでる。
ってことで
「おたすけネット」の要請があった。

まずは会いに行くよ～と
約束した。

よっしゃあ！
わたしの元気を分けてやるぜ！くらいの勢いだった。

でも当日になって
不覚にも
わたしも軽くへこみ気味。
何がってわけじゃあないけどさ
あるでしょ。
そういう時って。

そういう時は垂水神社にいってしまう。
お参りして
山の水をもらおうとして
入っていくと
日が差してきて
雨の後の水のにおいと山のにおいが
わっ
とやってくる。

お水の滴り落ちる滝の前に来たとき
おもわず
わーって泣いてしまった。

そうだな。
わたしにはそんな人生の先輩であるお父ちゃんに
何かを分け与えるとか
そんな大それたことなんてできないよ。
そんな想いがあふれてきた。

垂水神社のお水をもって
お父ちゃんに会いに行った。
おとうちゃんは若い頃スポーツやってて体もいいし
顔も結構男前だ。
わたしは珍しくスカートはいてた。
きょうは恋人に会いにいく気持ちで行こうと思ってたんだ。

「元気やなあ！」ってわたしを見ていったから
「ううん。わたしさっきまで泣いてたんだよ」って返す。
「わたしくるしいの！聞いてくれる？お父ちゃん」

「わしもくるしい。聞いてくれるか？」

「くるしいの？何？」

「うん。横になりたい」

駆け寄って体を触ってみた。
思ったよりもやわらかいからだ。

横になってもらって
マッサージする。
衰えは感じない。
むしろエネルギーを感じる。
まだまだ
この体は働きたいんじゃないのかなあ。
何かのために。

ずうっとずうっと撫で回してたら
ぐうぐう寝息を立ててた。

お父ちゃん
あそぼうよ。

何して遊ぼう？

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