ねずみちゃんの葬儀をしましょう

台所ではるかの叫び声がして
見に行ったら
ねずみちゃんがうずくまっていた。

ちいさくて
絵本に出てきそうなかわいらしさ

ドングリの鼻先で
よたよたと歩いてた。

なに？なに？なにがおこった？

ドングリが襲ったのか？

「でてきたらころすということ」という約束事が7年前にかわされていたことがふと頭をよぎったが

いや、それはりえさんとねずみちゃんとの取り決め

私はそんな約束はしていない

でもどうしよう

ドングリはくんくんしてるけど
子猫にしめしたような関心は持たず

噛み付いたりもしない

どうやらねずみは弱ってるようだ。

「ころしたほうがいいのでは」

そう頭の中はいうのだけど

「いやだ」
って思う

今から出かけることになってて
それまでに
11月のインフォメーションの原稿をそろえてウッチーに送ることになってるのに

なんで障害物があらわれるのだろう

笑ってしまう

今回は動物ネタですか・・・

ねずみはよたよたしつつもバックグランドに帰っていかれたので
わたしは仕事へ戻る

そうしていると
ふさこが神妙な面持ちで

「しほさん・・・いま、ねずみちゃんが亡くなりました」
と言いに来た。

「しほさん・・お忙しいと思うのですが
　ねずみちゃんの葬儀をしましょう」

そうふさこは言った。

「わかった！じゃあ、ワタシこれやっちゃうから、
葬儀のじゅんびをしてくれ！」

大急ぎで仕上げて
出かける準備をして

台所で死後硬直をはじめてるねずみちゃんをつれて

クスノキの下の墓穴へ

ふさちゃんは
きれいな花束を作ってた

さようなら
いままでありがとう
食材をかじったり
いろんなことがあったね

でもあなたはあなたのやりかたで
モモの家を守ってたんだね

そうふたりで別れの挨拶をして
お花を飾る

じゃあね！
ふさちゃん！
いってくるから！
明日のイベントたのむね！

は～い
しほさん
いってらっしゃい！

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